2012年6月2日土曜日

目の保養に。。。パート2

皆様こんにちは!
先月末に発売されたオンザボードはチェックしましたか?
まだチェックしていない方は是非チェックしてみてください。
タイムワープなどを手掛けたフォトグラファー、クリスクロフがアレックスやジャレッドメルなどの、カリフォルニアを代表するロングボーダー達と一緒に、中南米をトリップした時の様子や、今年のヌーサフェスティバルの様子など盛りだくさんの内容になっていますよ!
おまけのようにINSIESTYの紹介も掲載されていますよ。。。

と、まあ、ますます盛り上がりを見せるカリフォルニアのサーフシーンですが、中でも最近注目を集めるブランドがあります。先日INSIESTYのラインナップにも加わったタナーサーフボードです。

そこで簡単にシェイパーであるタナーをご紹介したいと思います。
彼のシェイパーとしてのルーツは、レジェンドシェイパーの一人、マイクマーシャルを師事した事より始まります。
マーシャルの元シェイプの腕を磨き、頭角を現したタナーは、マイクマーシャル自身が持つオリジナルのテンプレートを受け継ぐまでに至りました。
マーシャルを支持したことにより、60年代のサーフボードをよりリアルにとらえる事が出来、当時のボードを理解した数少ないシェイパーの一人へと成長しました。

又、生粋のコスタメサキッズである彼の友人にはアレックスノストや、ジャレッドメルら、南カリフォルニアを代表するサーファーが名を連らねます。
スタイルを発信し続ける彼らと、プライベートで一緒にサーフィンを楽しむタナーだからこそ、自分がシェイプしたボードの真のフィードバックを知ることができ、最先端の流行の中心にいます。

このようなバックグラウンドのタナーだからこそ、古き良き60年代のサーフボードのテイストと、現代のより洗練されたボードシェイプとが見事に融合したサーフボードが生み出せるのです。





今回は、そんなタナーサーフボードのスーパー66モデルをご紹介させていただきたいと思います。

1966年にナットヤングが使用ししていたボードからフィードバックを得て作られたモデルです。ボードのアウトラインにはPIGが採用され、その事により独特な操作感と、クラシカルで美しいアウトラインをボードにもたらします。





さらに、レジンを惜しみなく使用した高級感溢れるホットコートパネルがさらにアウトラインの美しさを強調します。デッキ、ボトムともにパネルの施された非常に手の込んだカラーリングです。





ハンドメイドで生み出されるボードからは、細部にまで作りこまれたタナーのこだわりが感じ取れます。






ロッカーにもこのボードの乗りやすさの秘密が隠されています。

サーフボードの乗りやすさを決める大事な要素にロッカーがあげられます。ロッカーというのはボードの反りの事です。そりが強いとか弱いとかをいう時に、ロッカーが強いとか弱い、表現します。
そんなことはご存じと思いますが、以外に知られていないそれぞれの特徴をご説明いたします。

ロッカーの無いボード。何の反りもない板切れを想像してみてください。水面に接している部分に何の抵抗もなくスムーズな水の流れを想像できるはずです。これはサーフボードにも共通し、一般的にロッカーの少ないボードはスピードが付きやすくテイクオフが早いボードとされています。
逆にロッカーの強いボードは、ボードをしごいてスピードを付けなければいけない代わりにマニューバー性能が高いのが特徴です。

ロッカーの違いによる乗り味の違いについて二つ出てきましたが、今回はフラットロッカーについてもう少し掘り下げてご説明します。

ロングボードを実際に乗っているイメージで良く想像されるマニューバーは、ゆったりとしたターンや、トリミング、醍醐味であるウォーキングや優雅なノーズライデンィグなどが上げられます。
中でも最大の魅力はなんといってもノーズライディングです。シングルフィンロングボーダーだけが感じる事の出来るノーズライディングでの浮遊感はまさに特権です。

と、同時に難易度の高いアクションであり目標でもあります。
そんなノーズライディングですが実はボードロッカーにも成功の秘密が隠されています。

長くノーズにとどまるのに必要な要素は、ブレイクに近い波のハイラインにボードをセットすることです。これにより、テールが波のパワーゾーンにホールドされ、ノーズに歩き出すことができます。フェイスのしっかりある波のポディションを、ターンや、ストールなどをしてスピード調節する事で、キープする事が出来ればノーズの成功率はUPします。

ではなぜ、ロッカーの弱いシングルフィンのボードがノーズライディングに適しているかと言うと、ノーズに適したフェイスの張ったセクションでテールがロックされノーズに歩いて行っても、ボードに反りが無いので、ライディングのラインに角度が付きにくいのです。つまりノーズが波の下を向きダウンザラインに入りにくく、ノーズライディングに適す、波のハイラインをキープしやすくなるのです。


こんなくだらないうんちくを、頭の隅っこに置いといて、タナーサーフボード、スーパー66モデルを見てみましょう。


このようにテール付近にはテールキックと呼ばれるロッカーがついていますが、ノーズにかけての全体の2/3はローロッカーとなっています。
テールの反っている部分に波が当たると、テールに角度がついている分、ノーズが上を向きやすくなり波のハイラインをキープしやすくなります。テール寄りに体重を軽くかけてあげるとレールが入りやすく、ピボットターンなどの軽快なテールコントロールも容易にします。

デッキ面のロッカーは写真では分かりずらいですが、ほぼフラットに近くなっています。これにより、PIGならではの細身のアウトラインですが、ウォーキングも違和感なくスムーズにできます。

デッキのロッカーがフラットで、ボード全体のロッカーをボトムで調節するとどうでしょう?
真っ直ぐなラインの下に、曲線であるボトムロッカーが組み合わせれるので必然的にボードの中心部にしっかりとした厚みを残すことができます。この事により、しっかりとした浮力を残し安定感を十分感じることのできる、単純な乗りやすさをを生み出します。

ボードの中心に近い部分はレール、センターともに程よくボリュームを持たせています。



対照的に、テールとノーズはボリュームが削られ、シャープな印象です。
レールが入りやすくなり、無駄な浮力がないのでコントロールも簡単です。小柄な方や、脚力に自信の無い方でもシングルフィンとは思えない操作性の良さにびっくりされるはずです。





ノーズライディングをサポートしてくれるノーズコンケーブもしっかりと入っています。
しっかりと入っていますが、ノーズから縦方向に入っているので、失速感がなくスピードに乗ったノーズライディングができます。




従来のノーズライダーのように直線的で、頭でっかちなアウトラインではなく、ノーズが細くなっているので、波の早いセクションや、スープのボトム使って、チーター5などで抜けるようなスピーディーなノーズも楽しめます。
ボードロッカーや、テールキックが計算されつくしてデザインされたボードなので、ナローノーズですが、ノーズライディングの心配はいりません。アウトライン、ロッカー、コンケーブすべてがうまく機能しあい、大満足のライディングを可能にします。

これがまさに、古き良き60年代のシングルフィンログと、現代のシングルフィンロングボードの融合であり、タナーはまさにカリフォルニアでも数少ないホンモノを生み出せるシェイパーの一人なのです。





まだまだお伝えしきれないこだわりを実物のボードからは感じる事が出来ます。
是非手に取ってご覧になってください。皆様のご来店をお待ちしております。

長くなりましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
ここまで長くなるともう読み手の事は考えていません。



もう一つおまけに

そもそもなんでそこまでハンドシェイプにこだわるのか?
これにはちゃんとした具体的な理由があります。

サーフボードを作る上で最も重要なことは、フォームからサーフボードそのものの形を削りだすことです。大きく分けるとその方法は2つあります。ハンドシェイプと、マシンシェイプです。それぞれに利点があり、どちらも確立された製造方法です。

マシンシェイプは左右対称のボードをまったく同じ形で無限に製造する事が出来ます。
サーフボードの基礎となるフォームは、ストリンガーと呼ばれる、木材を挟んで作られます。自然材料であるストリンガーを認識せずに機械は、フォームを発砲ウレタンの塊としてしか見れません。そのため木材であるストリンガーの癖、(反りや、多少のねじれ)を無視してシェイプします。
なので、出来上がったボードの中央部のセンター幅を、ストリンガーを挟み左右別々で図ると違うことがあります。センターが60センチだとすれば、右側の長さが31センチで、左側の長さが29センチといった感じです。ごく稀にあるケースを少し大げさに書いているので、あまり気にしないでください!


ただ、知っておいてほし事は、タナーやダノーのようにフォームに向き合い、アウトラインを引くことからシェイプを始めるシェイパーが作ったボードにこのような事はありません。たとえストリンガーが少し曲がっていたとしてもそれを考慮し、ボードを生み出していきます。これがハンドシェイプです。



僕はサーフィンが大好きです。
大好きがゆえに、疲れて眠たくても波があれば早起きもするし、片道5時間弱の運転もできます。
頭が痛くなるほどの冬の海の冷たさにも耐えられます。

こんなに大好きなサーフィンだからこそ、これからもイイモノにこだわり続けたいと思います。


皆さんはどうですか?

INSIESTY SURF


本日はこの辺で。
だらだらと長くなりましたが最後までお付き合いいただきありがとうございました。

ではまたー。

1 件のコメント:

  1. ハンドシェイプもマシンシェイプのことも、あまりお分かりでないようですね。止めたなら放置せず削除すべき内容だと思います。

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